≪相談事例1≫~管理職の未払い残業代
〇相談内容
〇〇塾において正社員として勤務し、教室長をしている。業務量が多く、毎月100時間ほど残業しているが、管理職ということで残業代は一切出ない。このままでは身体を壊してしまいそうなので退職することにしたが、未払い残業代を請求したい。
なお、出勤時間についてはある程度自分の裁量で決めることができたが、おおむね10時前には出勤していた。退勤時間は、授業がすべて終わり、生徒を送り出し、送迎バスの運転手から無事送り届けが終わったとの連絡を受けてから退勤するので、22時前後と決まっていた。土曜日もほとんど出勤していた。タイムカードなどはないが、退勤時間については自分が最後がほとんどだったのでセコムの記録があると思う。
〇本人の希望
未払い残業代意を請求したい。
〇結果
本人が組合加入。組合は即日会社に対して団体交渉の申し入れを行う。1週間ほど後に団体交渉実施。団体交渉では、組合側は役員1名と当該組合員、会社側は副社長と人事担当者1名が出席。
団体交渉では、①教室長が労基法上の管理監督者に当たるかという点、②教室長としての手当が固定残業代に当たるかという点、③残業時間の算定方法について協議した。
① については、会社も教室長が管理監督者には当たらないと認めた。
② については、会社は教室長手当が固定残業代に当たると主張。組合は固定残業代には当たらないと主張し、賃金規定の提供を求めた。賃金規定には教室長手当が固定残業代に当たるとの記載は一切なかった。
③ については、組合は10時~22時が勤務時間であるとし、休憩は事実上とれなかったので毎日4時間で1か月80時間、土曜日の出勤を含めて100時間の残業があると主張。会社は12時頃に出勤すれば業務をこなせるはずであり、土曜日も出勤する必要はなかったなどと主張した。
数回の交渉を経て、組合の請求額の約7割を会社が支払うということで合意が成立した。
≪相談事例2≫~塾講師 準備時間等の未払い残業代
〇相談内容
〇〇塾において講師をしている。時給制だが、授業時間しか時給が付かない。しかし、実際には、授業前の準備で30分ほどかかるし、授業後の生徒からの質問受付等でも10分から20分はかかる。その分も業務の一環なので、賃金を請求したい。
〇本人の希望
未払い残業代を請求したい。
〇結果
本人が組合加入。組合は即日会社に対して団体交渉の申し入れを行う。1週間ほど後に団体交渉実施。団体交渉では、組合側は役員1名と当該組合員、会社側は副社長と人事担当者1名が出席。団体交渉では、組合が一日40分の残業代が未払いとなっていると主張、会社も大きくは争わなかったため、早期解決となった。
≪相談事例3≫~塾講師 授業時間数
〇相談内容
1年契約だが、昨年度と比較して授業のコマ数を減らされたため、収入が大幅に減った。労働組合に加入して残業代を請求したため、報復的に授業のコマ数を減らされたとしか考えられない。納得できない。
〇本人の希望
授業のコマ数を元に戻してもらいたい。
〇結果
組合から会社に団体交渉を申入れ、1週間ほど後に団体交渉を開催。団体交渉において、組合は、本人の過去3年分の授業時間数の提供を要求。その上で、不自然に授業時間数が減少しているのであれば、組合に加入したことへの報復であると考え、大阪府労働委員会への救済申立てや抗議行動も含めて検討する旨通告。会社は、組合加入への報復として授業時間数を減らしたわけではないと主張しつつも、見直しを約束。年度途中での担当授業の変更は難しいものの、夏季・冬季・春季の特別授業で減少分の補填をすると約束。
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